こんにちは。情シス先輩です。
2025年はミニPCの性能が大きく進化する一方で、メモリ高騰によって「今買うべきか迷う」という声が増えています。
特にここ最近、次のような理由でミニPCを探している方が多いようです。
- ローカルLLMを気軽に試せる環境がほしい。
- ESXi から Proxmox に切り替わるため、自宅でも練習環境を作りたい。
- メモリ高騰をきっかけに、デスクトップから小型のミニPCへ乗り換えたい。
本記事ではまず現在のメモリ高騰とミニPC市場の関係を整理したうえで、用途別に“いま検討しやすいミニPCの考え方”を解説します。
記事後半では、ローカルLLM用途、Proxmox検証用途、デスクトップ代替用途ごとに、今選ぶ際の目安となるスペックやおすすめモデル を紹介します。

メモリ高騰とミニPC価格の現状
2025年7月以降、メモリ価格は短期間で急激に上昇しています。
DDR5メモリでは半年前と比べて2〜3倍近い価格になっている製品もあります。今回の特徴は、
長期的な値上がりではなく直近で一気に起きている点です。
一方でミニPC本体の価格を見ると、メモリ単体ほどの値上がりはまだ反映されていません。
これは
- メーカーが既存在庫のメモリを使用している
- 価格改定が段階的に行われている
といった理由によるものと考えられます。
つまり現在は
- メモリ単体で後から増設する前提だと割高
- ミニPC完成品として見ると価格はまだ据え置きに近い
という「ズレ」がある状態です。このズレが今後も続くとは限らずいずれミニPC価格や在庫に反映される可能性は十分あります。
そのため、すでに用途が決まっている場合は気になっている構成を今のうちに選んでおくという判断が合理的だと言えるでしょう。
用途別に見る今選びやすいミニPCの考え方
ここからは、ミニPCを検討している人が多い3つの用途別に「今どう選べば失敗しにくいか」を整理します。
機種名を細かく並べる前に、まずは考え方と最低ラインを押さえておきましょう。
ミニPCでローカルLLMを勉強したい人
ローカルLLM用途では最初に意識すべきなのはメモリ容量です。
CPU性能よりもどれだけモデルを無理なく載せられるかが体験を左右します。
目安となる構成
7Bクラスのモデルを触るだけでも16GBではすぐに窮屈になります。「試してみたい」段階でも32GBを前提に考えるのが無難です。
さらにこの用途では、安さ重視のモデルより安定性を優先した方が後悔しません。
ESXiからProxmoxへの切替を想定している人
Proxmox用途ではミニPCを小型の仮想化ホストとして使うことになります。
重要なのはコア数とメモリのバランスです。
目安となる構成
Proxmoxでは「VMは増やせるがメモリが足りない」という状況が一番ストレスになります。
そのためメモリ高騰中でもProxmox用途なら32GB構成を選ぶ判断は妥当です。
デスクトップの代替としてミニPCを検討している人
「メモリが高いなら今のうちにデスクトップを整理してミニPCにしよう」という人も少なくありません。
この用途では過剰なスペックは不要ですが、快適さを落としすぎない構成がポイントです。
目安となる構成
日常作業や軽い検証用途であればこのクラスで困ることはほとんどありません。
省スペース・省電力で「机の上やモニタの裏側に設置できる小型マシン」として使えるのがミニPCの強みです。
2章のまとめ
次章ではこれらの考え方を踏まえて、実際に選びやすいミニPCのタイプやモデルを紹介します。
用途別 おすすめのミニPC

ここでは前章で整理した用途ごとにミニPCを紹介します。
価格や在庫は変動するため「この用途ならこのクラス・この系統」という目安として参考にしてください。
ローカルLLMを試したい人向けのミニPC
ローカルLLM用途ではRyzen AI 9 HX-370 搭載モデルは性能と価格のバランスが良く、検証環境として選びやすい一台です。
ここでは「今すぐLLMを試したい人」 と「まずは軽めに始めて将来拡張したい人」 の2パターンで紹介します。
本記事で紹介するミニPCによるローカルLLMは、主に文章生成・要約・対話といった用途を想定しています。
画像生成や大規模モデルの高速推論を目的とする場合は別途GPU環境が必要になります。
おすすめ①:GEEKOM AI PC A9 MAX(AMD Ryzen AI 9 HX-370)
性能と価格のバランスが良く、ローカルLLMの検証を始めやすいAI向けミニPC。
Ryzen AI 9 HX-370 は NPU と高性能 iGPU を備えており7BクラスのLLMを中心に、比較的快適な検証環境を構築できます。
ストレージ容量にも余裕があり、モデルやデータを多く扱いたい人にも向いています。
おすすめ②:MINISFORUM AI X1 ミニPC(AMD Ryzen 7 255)
軽めのLLM検証をしつつ、将来的なGPU拡張も視野に入れられる汎用ミニPC。
Ryzen 7 255 は NPU を持たない通常CPUのためLLM用途では性能面で限界はありますが、7Bモデルを軽く試す用途なら対応可能です。
また、OCuLink を備えており外付けGPUを追加できる点は大きな特徴で、後から本格的なAI用途へ拡張したい人にも選択肢になります。
Proxmox検証用途におすすめのミニPC
Proxmox用途ではRyzen 7 クラスのCPUとメモリ32GB前後が扱いやすい構成です。
仮想マシンを複数起動する前提ならこのクラスがバランス良好です。
おすすめ①:GMKtec M5 Plus(Ryzen 7 5825U)
価格が比較的抑えられておりProxmox入門・自宅検証環境として使いやすいモデルです。
おすすめ②:GEEKOM A5(Ryzen 7 5825U)
安定性と扱いやすさを重視したモデル。
ESXiからProxmoxへの切替検証用途にも向いています。
日常作業・デスクトップ代替としておすすめのミニPC
日常作業や軽い開発用途ではRyzen 5 クラスのミニPCがコスパ面でも扱いやすい選択肢です。
おすすめ①:GEEKOM A5 2025エディション ミニPC
日常作業から開発用途まで安心して使える汎用ミニPC。
Ryzen シリーズの性能でブラウジング、Office、軽い画像編集、複数ウィンドウ同時作業もストレスなくこなせます。
Proxmox の入門的な検証・仮想化用途にも対応可能な余裕があります。
おすすめ②:GMKtec G10 mini PC
価格と性能のバランスが良い“コスパ重視”ミニPC。
日常作業、動画視聴、軽めの開発・学習用途などを中心に無理なく快適に使える入門〜中堅クラスです。
まとめ:用途を決めて選べば、ミニPCは「今」でも後悔しにくい
メモリ価格の高騰が続く中で「今買うべきか、もう少し待つべきか」と迷っている人も多いと思います。
ただ、ミニPCという形で見ると必ずしも価格が極端に上がっているわけではなく用途を絞って選べば、今でも十分に納得できる選択が可能です。
本記事では用途別に次のような考え方でミニPCを整理しました。
重要なのは「何でもできる1台」を探すのではなく、「今やりたいことに合った1台」を選ぶことです。
ミニPCはノートPCに比べ、後から環境を拡張したり役割を切り分けたりしやすい点も強みです。
気になっている用途があるなら価格や在庫が大きく動く前に、一度検討してみる価値はあるでしょう。
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