今回は、Minisforumの新型ミニPC「UM870Slim」を購入したので、レビューしていきます。
もともと自宅でのサーバー構築や軽い開発作業用にコンパクトかつ高性能なPCを探していた中で、このモデルに出会いました。
この記事では開封から使用感、体感した性能について詳しく紹介していきます。
購入を検討している方や、同ジャンルのPCを探している方の参考になれば幸いです。
スペック紹介
今回購入したモデルの構成はこちらです。
- CPU: AMD Ryzen 7 8845HS
- GPU: Radeon 780M (内蔵GPU)
- メモリ: なし(別途購入して装着)
- ストレージ: なし(別途購入して装着)
- OS: なし(自分でProxmoxをインストール)
競合としてはBeelink SER6やGMKtec NucBoxシリーズも候補にありましたが、仮想マシンをたくさん立ち上げる仮想基盤として利用したかったため、拡張性を重視してUM870Slimを選びました。
また、私が購入を検討していた時点ではAmazonではOSなしモデルの方が配送が早く、ストレージ容量も自分で選べるためコストを抑えられるというメリットもありました。
最終的に必要なメモリとSSDを装着してもメモリ・SSDがセットになっているモデルより安価に購入できました。
今回使用したパーツ紹介
今回UM870Slimに使用したメモリとSSDはこちらです。
※SSDは1TBではなく500GBにしています。
※UM870SlimはSO-DIMM規格のメモリに対応していますので、購入時はご注意ください。
開封・外観レビュー



箱を開けた第一印象は「小さい、そしてしっかりしている」でした。
アルミ製のボディは質感が高く安っぽさは一切感じません。
本体サイズは約127mm x 127mm x 48.2mmで、片手で簡単に持てる重量感。
ポート類も充実しています。
- フロント:USB-C (DP出力対応)、USB-A 3.2、ヘッドフォンジャック
- リア:USB-A 3.2 x3、USB-C、HDMI、2.5GbE LANポート、DC-IN
メモリ・SSDの装着作業
今回私が購入したモデルは自分でメモリとストレージを装着する必要がありました。
最初の作業として裏面のゴム足を外し、その下にあるネジをドライバーで外して筐体を開けます。

注意点として、筐体を開ける際に内部のケーブル(ファン用と思われる細い配線)が基板と接続されているため、無理に引っ張ると断線してしまう恐れがあります。

慎重に作業しましょう。
また、メモリにはデスクトップ用のDIMMとノートPC用のSO-DIMMという規格があり、UM870SlimはSO-DIMM対応なので購入時に注意が必要です。
セットアップと使用感
必要なメモリとSSDを装着後OSとしてProxmox VEをインストールしました。
インストール作業は非常にスムーズで、問題なく起動しています。
作業時間よりもISOデータをサイトからダウンロードする時間の方が長くかかったほどです。
動作音もアイドル時は非常に静かで、耳を近づけないとファンが回っていることに気付かないレベルです。 高負荷時でも爆音というほどではなく許容範囲に収まっています。
熱管理も優秀で、通常使用中の筐体温度は手で触ってほんのり温かい程度。冷却設計の良さが伺えます。
性能についての印象
今回はベンチマークソフトを使った公式な性能測定は行っていませんが、実際にProxmoxをインストールして運用してみた限り、非常に快適に動作しています。
- Web管理画面のレスポンスも良好
- 仮想マシン(VM)の起動も速く、遅延を感じない
- アイドル時・通常利用時ともに安定して動作
体感的には軽めのサーバー用途(例えば、検証用のKubernetesクラスタ構築、Dockerコンテナ運用)には十分すぎるパフォーマンスを持っていると感じました。
良かった点・気になった点
Proxmoxをインストールして使用している中でひとつだけ困った点がありました。
それは購入したミニPCに搭載されている無線LANがProxmox上では使用できなかったことです。
ただしサーバー用途では有線LANでの安定接続が推奨されるため、管理用接続は有線を使うと割り切って運用しており、特に大きな問題にはなっていません。
良かった点
- コンパクトなのに高性能
- USBポートやLANポートなどインターフェースが豊富
- 熱管理と静音性が優秀
気になった点
- 高負荷時のファン音はやや目立つ(とはいえ許容範囲)
- USB-Cポートがもう1つあるとさらに嬉しかった
まとめ・おすすめポイント
UM870Slimはコンパクトな筐体にハイパフォーマンスを詰め込んだ非常に完成度の高いミニPCでした。
こんな方におすすめです。
- 自宅サーバーや検証用マシンが欲しい方
- コンパクトなデスクトップを探している方
- クリエイティブ用途(軽めの動画編集、開発作業)を考えている方
今後はProxmoxインストール方法に関する記事と、Proxmox上で動かすKubernetes(K8S)構築記事も作成予定です。
興味がある方はぜひ今後の記事もチェックしてみてください!
また、他のミニPCとの比較記事も書いていますので気になる方はこちらも参考にしてみてください。
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次回予告:UM870SlimにProxmoxをインストールして、自宅クラウド環境を構築してみた!【予定】